■連載企画 ロースクールで教えてくれないこと
『快適オフィスのつくり方』
<第2回>
新卒者から見るオフィス環境の評価ポイント
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新卒採用は就職氷河期の再来
春の季節は大阪のオフィス街にも初々しいフレッシャーズの姿が見かけられます。しかし昨年の世界経済危機の影響により、新卒採用内定取消しや派遣社員切り、新年度の新卒採用中止(一部中止)など、ここ最近の日本の雇用問題は昨年と比べても厳しい状態が続いています。それだけに就職することの意義を真剣に考える学生たちも多いのだと思います。このような背景のなか、就職内定者たちが初めて働く企業のオフィス環境に対して、どのような意識を持っているのでしょうか(オフィス環境とは、レイアウト・内装デザイン・外装デザイン・設備など職場環境全般のことを指します)。
意識調査から分かる新卒者の本音
毎年、MYCOMオフィスアワードが昨年度の就職内定者(今年度の4月入社)を対象に「オフィス環境の意識調査」を実施しています。2008年度の調査によりますと、「現在のオフィスに満足していますか?」という問いに対し、「満足」(47.8%)「不満足」(39.8%)「大変不満足」(9.1%)との結果が出ました。「不満足・大変不満足」と答えた方の理由としては、「社内が執務スペースのみで施設が充実していない」(58.4%)「休憩できる場所がない」(47.4%)「床や天井が汚れているなど不快感がある」(35.9%)などがあります。ここで興味深いのは、2007年度の調査の「オフィス環境で重要なもの」という問いに対し、「清潔感のある、不快感のないオフィス」(85.0%)「コミュニケーションのとりやすい環境」(67.0%)を重要視していることです。つまり、新卒者の重要とするオフィス環境の条件がクリアしているのかどうかで、その会社が快適なオフィスかどうかの見分けがつくのかもしれません。
また、「現在のオフィスにどのような施設があるか」という問いに対し、「執務スペース以外、特別な施設はない」(74.0%)と、新卒者の多くが現在のオフィス環境を執務スペースのみと認識しているのも特徴的です。一方では、オフィスの機能としてあったら嬉しいものとして、「カフェテリアのあるオフィス」(50.6%)「リラクゼーションスペースのあるオフィス」(45.2%)「トレーニングジムのあるオフィス」(19.9%)など、執務スペース以外に精神・肉体ともにリラックスできる施設を望んでいるのが本音ではないでしょうか。
「入社してからの悩み」については、「先輩との人間関係に悩みがある」(55.5%)「同期との人間関係に悩みがある」(26.6%)と、社内の人間関係に悩みを持っている新卒者が多くいることが明らかとなりました。その原因として「悩みはコミュニケーションが円滑に行われていないことに起因している」と55.8%の方が答える結果となりました。もう一つの快適なオフィスの条件として、コミュニケーションを活性化させるための一つの施策として、執務スペース以外の施設の充実があってもいいのではないでしょうか。
弁護士業界におきましても新卒採用をされている法律事務所があります。学生のステータスは少し異なるかもしれませんが、オフィス環境に対する意識は同じ新卒世代の心情として共通するところもあると思われます。
※ 掲載のグラフ・表は、『「COBS ONLINE」調べ』より引用いたしました。
【最新オフィス賃料相場】
法律事務所が集中している西天満エリアやその近辺の淀屋橋〜北浜エリア間の賃料相場は以下のようになっています。
■ 西天満1丁目〜4丁目の賃料相場
規 模 |
預託金(円/坪) |
賃料(円/坪) |
大型ビル |
107,008 |
10,257 |
中型ビル |
85,572 |
8,601 |
小型ビル |
87,568 |
9,090 |
■ 淀屋橋〜北浜エリアの賃料相場
規 模 |
預託金(円/坪) |
賃料(円/坪) |
大型ビル |
129,741 |
11,185 |
中型ビル |
83,866 |
8,541 |
小型ビル |
80,129 |
8,681 |
(2009年3月調査)
※ ビルによっては共益費が別途必要となるところもあります。
※ この表は、弊社管理データを基に作成しました。
※ それぞれのビルの規模は以下のとおりです。
大型ビル:ワンフロアの広さが100坪以上200坪未満のビル
中型ビル:ワンフロアの広さが50坪以上100坪未満のビル
小型ビル:ワンフロアの広さが50坪未満のビル
■お問合せは
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http://www.builbank.com
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