1 何故独立するのか
独立して自分の事務所を作るべきか否かなんて、その人個人の置かれた環境と受け止め方・感受性により異なるでしょう。それこそ煎じ詰めれば価値観・人生観にいきつくかと思いますのでこの判断は「人の勝手」ということにしておきます。私の場合は何となくダラダラ毎日が続いているのはいけない、冬の荒野で向風に一人でまっすぐ立つような毅然と日々を立ち向かいたいとふとある時思ってしまい、独立するぜいと動き始め、独立理由は「人生を考えた」と言っておりました。
2 独立の方向へ何をしたのか
まずは意思表明です。意思表明しましたが日頃のキャラクターのせいか「やめといたら」というレスが多く、自分が独立するという実感も持てず、まあ無理と思えば前言撤回すりゃいいかという感じが最初の頃です。
そういう意思表明をしていると、話せば話すほど自分の考えや気持ちがまとまっていって「独立してみたい」という気持ちが高まり、具体化すべく「独立計画ノート」など作って、何をすべきか、書き留めていきました。
知人の弁護士事務所に行っては家具の配置図をこの独立ノートに書き込み、あわせて家賃・経費など聞き込んでイメージトレーニングを重ねました。
本当に現実化したなあと実感したターニングポイントは事務所の賃借物件を決めたときでした。独立の1ヶ月前から賃貸借契約を結びましたが、その前に一度什器・内装業者に来てもらって採寸の上、机等の配置の図面を書いてもらいました。それから見積もりをもらってプランを選びました。賃貸借契約書に署名・押印して保証金を振込んだときが「もう戻らない」と思いました。
事務員さんの採用は「人を雇う」という初めての経験は不安だったのですが、独立意思表明かたがた「誰か紹介して」とか言っていると知人の紹介で面接をして、その人とは条件があわなかったのですが、その人の紹介があり、これもえいやと決めました。
異業種経験者の方なので、独立前にもとの事務所に修業で来てもらうという手はずにしたのですが、都合がつかず1日か2日くらいしか来てもらえませんでした。その程度では仕事をわかってもらうには足りませんでしたが、業界未経験者の場合は仕事の雰囲気に触れるということでも、また私のそれまでの仕事関係・人間関係の流れを理解してもらうということからは1日でも非常に有益でした。これはお勧めですよ。
3 良かった点・悪かった点
色々考えて自分で決めたことなのでまあ可もなし不可もなしですが、椅子がキャスター付の動くものか、キャスターがないが肘掛けがあるものばかり、寝ころべないことが反省点です。
良かった点は事件記録を紙製の箱にいれているのですが、事件により箱の色を区別しているので探すのに便利というのが小さな工夫でよかったなあというところです。
4 後へ続く人のメッセージ
独立前後の一連のこと−高価な物品を購入して、新品の物に囲まれる。お祝いしてもらってお礼をする。謙虚な気分になり、感謝することが多い。嬉しいような不安なような気分になる。―は結婚のときと同じです。刺激的な華々しい気分を味わうにはもってこいですよ。というのはあまりにも表面的ですが、一つの仕事の仕方が変わるに過ぎないかもしれませんが、自分が考えて欲して決めて、その結果を自分一人で引き受けるという基本を行うのにはいいですよというところですね。
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